オタワ意思決定ガイド(個人用)の使い方
1)決める本人が使う場合
順番に沿って、空欄に自分の情報や考えを書き込んだりします。どこがまだはっきりしないかを知り対策を立てるのに役立ちます。
もし決める内容が治療や検査に関わるものであれば、看護師、ソーシャルワーカー、薬剤師などの医療者と一緒に会話をして空欄を埋めながら必要な支援を得る場合にも活用できますし、あらかじめ記入したものを持参して相談することもできます。
ただし、1人だけで限られた時間の中で整理する必要がある場合、気持ちに余裕がない場合は書き込むのが難しくなります。
生活に関わることであれば、自分で選択肢を自由にリストアップして決めることができるでしょう。
しかし、治療や検査に関わる意思決定の場合は、医師、医療者と一緒に選択肢を挙げて吟味することが大切です。
2)決める人を支える場合
選択に悩む患者さんにオタワ意思決定ガイド(個人用)を活用することを提案することもできます。
面談でガイドを一緒に見ながら、空欄を順番に埋めていく作業をすることで徐々に対象者の頭の中が整理されていきます。うまく活用し意思決定を支援するコツは2つあります。
脱線せずに、記載された内容に沿って順番に進める
支援する側は、どれか1つを押しつけたり、ある選択に導くよう誘導したりしない
決める人の思いや考えを尊重してよい選択を支援する上で、答えが1つではないものに対して、自分自身の価値観を押しつけないことが大切です。
一緒にオタワ意思決定ガイド(個人用)を記入しながら対話をする時間を確保するのが難しい場合は、オタワ意思決定ガイド(個人用)を対象者に渡し、記入して次の面談時に持参するように伝えます。使う目的、使い方を簡単に説明して渡すとよいでしょう。
次の面談時に、対象者が持参したガイドを共有し、試してみてもよいことを確認したり、意思決定を難しくする要因への対応を話し合ってみましょう。患者さんの希望に応じて、医師からもう一度説明をしてもらう、(決めるまでの時間に余裕がある場合)患者会に行って同じような意思決定をしたことがある人と話してみるなど具体的な次のステップにつながるでしょう。
(2020月1月20日公開 大坂和可子)
引用文献
1)Ottawa Personal Decision Guide © 2015 O'Connor, Stacey, Jacobsen. Ottawa Hospital Research Institute & University of Ottawa, Canada.