意思決定ガイドとは?
私たちの生活は、毎日、意思決定の連続です。
- お茶とコーヒー、どちらを飲もうかな?
- 今日はどの服を着て仕事に行こうかな?
- 夕飯は和食と洋食と中華どれにしようかな?
- 来週の日曜日は、どこに出かけようかな?
時には、あなたや家族の健康、病気、人生に関わる大きな決断をしなければならないこともあります。
この会社で仕事を続けるか、辞めて転職するか?
自分の病気のことを会社の上司に伝えるか、伝えないか?
医師から、手術を受けるか、薬物療法を受けるか、どちらを選んでもよいと言われたけれど、どちらが自分に合っているのかな?
自分の病気が遺伝によるものか調べる検査を受けるか、受けないか?
選んだ結果を予測して想像した時、様々な考えが浮かび、すぐに決めるのが難しいと感じるでしょう。多くの人が、時間をかけて吟味して決めたい、後悔がなるべく少ないものを選びたいと思うのではないでしょうか?
意思決定とは、「ある目標を達成するために,複数の選択可能な代替的手段の中から最適なものを選ぶこと」(大辞林 第三版)です。どちらがよいか、その評価が人によって異なるような悩ましく難しい決定の時であっても、よりよい意思決定をしたいものです。
よりよい意思決定とは「十分に情報を得て、個人の価値観と一致した決定をすることであり、決定に参加した人が意思決定に満足していると表現すること」[1]と言えます。
悩ましく難しい決定の時、よりよい意思決定を助けてくれる道具が役に立ちます。その道具を、意思決定ガイドと呼びます。欧米では、Patient decision aidsと呼ばれています。
意思決定ガイドは、治療や検査などの意思決定において、患者さんの積極的な参加をサポートするために用いるパンフレット、ビデオ、またはインターネット上のツールのことを指します。
意思決定ガイドの特徴は「これから選ぼうとする治療方法や検査方法について、選択肢が紹介されており、それらのメリットとデメリットを中立の立場でわかりやすく解説していること、患者さんが選択肢の特徴、選んだ結果に対する自分自身の考え(価値観)を吟味するのを助けてくれること」にあります。