トピック | 注意欠如・多動症(ADHD) |
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対象 | 大人になって注意欠如・多動症(ADHD)の診断を受けた方々 |
選択肢 | 自分でできる対処法をみつける 自分でできる対処法に加えて薬の治療を受ける・受けない |
形式 | 冊子、ウェブ |
入手先 | 大人になってADHDとわかった方へ - 自分にあった対処法・治療法をみつけるための手引き |
開発者 | 青木裕見(聖路加国際大学大学院看護学研究科) |
意思決定ガイドに関連する研究 | 1.ニーズ調査 Aoki Y, Tsuboi T, Furuno T, Watanabe K, Kayama M. The experiences of receiving a diagnosis of attention deficit hyperactivity disorder during adulthood in Japan: a qualitative study. BMC Psychiatry. 2020 Jul 16;20(1):373. doi: 10.1186/s12888-020-02774-y. -概要- (目的)近年、大人になってADHD診断を受ける人の数は増加していますが、診断後の当事者の経験に関する研究はわが国ではほとんど行われていません。そこで、当事者の経験やニーズを探索することを目的として、本研究を実施することとしました。(方法)大人になってADHDと診断された12名(23~55歳)を対象に、半構造化面接を実施しました。(結果) 当事者は、当初はADHD診断に否定的でしたが、自らこの障害について学び、関連する情報を探し求めていたことがわかりました。また、長年の困難の理由がわかって安堵する一方で、アイデンティティの不安も抱えていました。徐々に自身の特性を受け入れ、対処するようになっていました。 2.有用性の評価 Aoki Y, Tsuboi T, Takaesu Y, Watanabe K, Nakayama K, Kinoshita Y, Kayama M. Development and field testing of a decision aid to facilitate shared decision making for adults newly diagnosed with attention-deficit hyperactivity disorder. Health Expect. 2022 Feb;25(1):366-373. doi: 10.1111/hex.13393. -概要- (目的)新たにADHDと診断された成人向けのDecision Aid(DA)を開発し、精神科外来において、共同意思決定のプロセスでの有用性を評価することを目的としました。(方法)まずDAの国際基準IPDASに則って試作版を作成し、当事者・医療者の使用感調査を経て修正し、DAを完成させました。DAは、自分でできる対処法のみでやっていくという選択肢と対処法に加えて薬の治療法を受けるという選択肢を検討できる内容で構成されました。次に、完成したDAを実際にADHDと診断された直後の方々を対象に、治療者との共同意思決定の場面で活用してもらい、その有用性を評価しました。(結果)ADHD診断直後の15名が対象となりました。DAの介入後、知識が増え、意思決定の葛藤が減少していました。1ヶ月後のADHDの症状の程度は変わりませんでした。(考察・結論)開発したDAは、実臨床において共同意思決定のプロセスにおいて活用できる有用なものであることが示されました。 |
国際基準による評価(開発者による評価)基準を満たしている数/この意思決定ガイドに該当する基準の数 | ①資格基準:6/6 ②認定基準:5/6 ③質基準:14/20 |
利益相反 | この意思決定ガイドの開発に関連して、開示すべきCOIはありません。 |
開発研究費 | 2017.8.-2019.3.日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援(17H07112)大人のADHDの当事者と医療者が一緒に活用できる「治療選択のための手引書」の開発(代表:青木裕見) |
特記事項 | ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠陥多動性障害) |
意思決定ガイドを更新した年 | 2022年更新(2019年作成) |