序章
Health literacy online (日本語訳)
消費者に向けたデジタル健康情報ツールのライターや開発者と同じように、ユーザーにとって理解しやすく、すぐに使えるものをイメージするのは難しい作業です。このガイドに記載された数々の方法は、あなたの健康情報をよりユーザーにとって使いやすいものにするための助けとなるでしょう。しかしながら、開発者や書き手とユーザーとの間に存在する経験値の差を必ずしも埋めるわけではありません。そのため、ユーザー調査がとても大事になります。ユーザー調査によって、どのようにユーザーがデジタル健康情報に関わりあっているのか、そして理解しているのかについて知ることができるためです。このガイドは、複雑なデジタル健康情報を利用する上でユーザーの負担を軽減しうるユーザー中心のより使いやすいデジタル健康情報の制作のため、すぐに実践できる方法を紹介しています。
the U.S. Department of Health and Hum Services(HHS)内のThe office of Disease Prevention and Health Promotion(ODPHP)によってヘルスリテラシーオンライン第2版は制作されました。2010年の初版より改良され、ユーザー体験をより簡潔にすることに役立つガイドラインとなります。改良版の当ガイドラインは、800以上のユーザーでの広範な調査による、すべてのユーザー、特にヘルスリテラシーが低い者の利用体験における実践的な方法をお伝えします。それらは利用しやすいデジタル健康情報ツールを制作するのに役立つでしょう。
このヘルスリテラシーオンライン第2版は、いつ、どこでも、どのデバイスであってもデジタル情報やサービスを届けるための新しくより良い手段とされるthe President's Digital Government Strategyと連携しています。この構想により、ヘルスリテラシーオンラインは、healthfinder.govのデザインや、ヘルスリテラシー向上のためのHHSの意向を反映しODPHPによって開発された賞を受賞しているウェブサイト、そして健康情報テクノロジーへのアクセスの民主化に役立ってきました。ヘルスリテラシーオンラインにおける提案は質の高い健康に関連するウェブサイトの割合を増やすことを目的としたHealth People 2020を達成するための道しるべとして役目を果たします。
私たちは、私たちのウェブサイトに訪れる者が、どのようなことを調べるために、どのデバイスを使用しているのか、そして彼らのヘルスリテラシーがどの程度であるのかについて知ることはできません。すべてのアメリカ人を考慮したデザインによって、どのようなユーザーであっても利用しやすく、アクセスのしやすいデジタル健康情報ツールを制作することを可能にします。
終わりに、ヘルスリテラシーオンラインのような実践的なガイダンスは私たちの誰にとっても使いやすいデジタル健康情報ツール制作の助けになります。
Karen B. DeSalvo, MD, MPH, MSc
Acting Assistant Secretary for Health
U.S. Department of Health and Human Services
ヘルスリテラシーオンライン第2版について
ヘルスリテラシーオンラインは、ウェブサイト上のユーザーにとって利用しやすい健康情報やサービスへのアクセスを広めることを目的としています。このヘルスリテラシーオンラインのガイドの基になった調査では、ヘルスリテラシーが乏しい者や、複雑な健康情報を探し、理解する十分な時間を持ち合わせていない者といったすべてのユーザーにとって、健康情報を扱うウェブサイトや他のデジタル健康情報手段がどのようにデザインされるべきなのかについて話し合われました。
ヘルスリテラシーオンラインのガイドは、ウェブサイト上の健康コンテンツ作成に関連するすべての方々に向けて書かれています。ここに書かれている内容やヒントは、健康コンテンツを作成する様々な場面で役に立つでしょう。
なぜこのガイドなのか
多くのユーザーは、とても基本的なサーチ機能の使用や、メニュー画面のプルダウン操作、関連する情報のウェブサイトを探すことに苦戦しています。これらは、オンラインでニュースを見ることや、買い物をすることについては大して問題にならないでしょう。しかしながら、ユーザーが健康保険を契約しようとしたり、新しい医療診断について学んだり、チャイルドシートを正しく取り付ける方法を調べる場合などには、大きな問題となりえます。
ユーザーがいかに簡単に健康に関連した内容を利用できるかについては、私たちの作成するウェブサイトの質に大きく委ねられています。このガイドは、提案を集めたというだけでなく、信頼のあるデジタルデザインや次のことを構築する手法を示しています。
- ユーザーの情報の必要性や嗜好に応じた優先順位づけを行う。
- ユーザーをウェブ制作の共同制作者として参加させる。
- スクリーンの大小―すべてのサイズのスクリーンに対応する。
- リテラシーの低いユーザーのためのウェブデザインは全てのユーザーにとって使用しやすいものになりうる。